堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

本日は前回の続き
障がい児の音楽活動での注意したいこと【その2】
をお話しします。

前回
自閉症のA君のお話をしました。

A君は音に対して敏感で、
受け入れられる楽器は
「ジャンベ」という打楽器のみ。

その楽器を使って
セッションを実施することになりました。

順調にセッションを続けていましたが
予期しない問題発生

順調にセッションをしていた
ある日のことです。

お母さんから
電話がありました。

お母さん
「先生、ちょっとご相談があって
電話しました。

実は
Aなんですが最近うちで
棒のようなものを見つけると
テーブルやイスなど
叩くようになりまして。

やめさせようとすると
パニックになり
ちょっと困っています。

この前は
Aの姉のリコーダーで
テーブルを叩いて
リコーダを壊しちゃったんですよ。

それでたしか
音楽療法でも太鼓を叩いていると
伺っていたので、、、。

なんとかなるものかどうか
わからないのですが
先生にご相談してみようと思って
お電話しました。」

堀田
「いつもありがとうございます。

あらー、叩いてますか。
わかりました。

ちょっと
私にアイディアがありますので
次回セッションで挑戦してみようと思います。」

というお返事をして
次回セッションに臨みました。

問題解決のために試したこと

そして
A君に試したアイディアは

楽器を素手で叩く

というものです。

今までは
楽器を叩く際に
スティックを使っていました。

しかし今回のセッションでは、
スティックを使うのをやめて
「素手で叩いて音を出す」
という方法に変更
することにしたのです。

なぜなら
A君は太鼓や何かを叩く際に出る
『振動』が好きなのではないかと
考えたからです。

そうだとすると
素手で叩く方が
より振動を感じることができる
はずなのです。

セッションでその方法に変更してみると

意外にも
スティックの時よりも集中して
叩くことができたのです。

~それから2ヶ月後~

お家での様子をお母さんに
伺ったところ
「あ、そういえば、叩かなくなりました。」
と話されました。

ということで

今日は
「障がいのあるお子さんの音楽活動で注意したいこと」
を前回に引き続きお話しました。

今回のように
障がいのあるお子さんとの
セッションや活動には
その状況や症状に合わせた
適正なプログラムが必要になります。

そのためには

  • 行動の意味の分析
  • 行動を変化に導くためのアイディア
    が欠かせません。

しかし
症状や行動には個人差や特徴がありますし
どのように分析したら良いのか
迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

そんな方には
音楽療法セラピスト®養成講座
「障がい児音楽療法1と2」の講座をおすすめしたいと思います。

この講座では

  • 障がいのあるお子さんの
    行動の意味を探る
  • 行動の変化を導くための
    楽器の活用方法やアィディア

について
詳しくお話しします。

それでは
今日はこの辺で。

音楽療法セラピスト® 堀田圭江子