堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

音楽療法セラピスト®養成講座の受講生から
高次脳機能障害の方のサポートについてご質問をいただきましたので
サポートのポイントを2つお話しします。


堀田先生

ご無沙汰しております。
受講生のAです。

バタバタしていますが
なんとかやっています。

今日は先生にアドバイスを
いただきたくてメールしました。

実は
私の勤めている高齢者施設に
今年1月から通所されている方がいるのですが、
その方のサポートで困っています。

その方は
Bさん70歳代の男性で1年前に脳梗塞で倒れ
半身麻痺が残りました。

そして高次脳機能障害と診断されている方です。

Bさんは
会話はできるのですが
すぐ前のことも忘れてしまうことカーっとなりやすく
利用者さん同士でトラブルになることがあるんです。

そんな感じなので
集団のレクにもなかなか馴染まず
一人で過ごすことが多いのです。

私としては
少しでもレク活動に参加して
楽しい時間を過ごしてもらいたい
と思って声かけやサポートをしています。

ですが高次脳機能障害の方と接するのが
初めてなのでBさんを怒らせてしまったり
うまく活動につなげることができません。

高次脳機能障害の本も買って読みましたが
実際のサポートする際の注意点については
いまひとつわからなかったのです。

そこで先生を思い出し(すみません)
どこに注意したらいいのかを教えてもらえたら
と思ってメールしました。

お忙しいところと思いますが
よろしくお願いします。

Aより


ということでしたので
次のようにお返事しました。


Aさま

こんにちは。堀田です。

メールありがとうございました。
お元気そうで安心しました。

さて早速ですが
ご依頼の件についてアドバイスをします。

まず高次脳機能障害をおさらいしておきます。

高次脳機能障害とは
脳卒中や交通事故などによって
脳にダメージを受けたことが原因で
言語や記憶、注意や情緒などの認知機能に
起こる障害を高次脳機能障害といいます。

見えない障害と言われている

そして
高次脳機能障害は外見からはわかりにくく
実際の生活や社会の中で初めて顕在化して
くることが多く「見えない障害」とも言われていますね。

症状はダメージを受けた脳の部位と関係

高次脳機能障害の症状は
ダメージを受けた脳の部位と関係していて
さまざまなものがあります。

感情面

例えば
感情面では怒りっぽい、
他に落ち込むことがあったりします。

記憶面では短期記憶が悪いため
少し前のことを忘れてしまいます。

行動面

また行動面では
2つのことを同時に行うのが難しかったり
物事の段取りができず、約束の時間に
間に合わせられないこともあります。

この他にも
さまざまな障害が出てくるので、
適切なサポートが必要になります。

高次脳機能障害の方をサポートする際の注意点

高次脳機能障害の方のサポートをする際の
注意点を2つアドバイスします。

1、情報を整理して提供する

高次脳機能障害の場合は脳にダメージがあるため
脳に負荷をかけすぎないようにする必要があります。

なので
クライアントに何かを指示したり
話をする際にはシンプルにすることを心がけましょう。

例えば
活動に誘う時に
「Bさん、14時から歌の会です。行きませんか。」
というようにします。

2、本人の強みや興味を伸ばす

Bさんのように怒りっぽい方でも
本人の好きなことや興味のあること、できることがあると思います。

それを引き出してください。

そして
そこから話を広げたり活動につなげると
いいです。

本人はじめ
支援する側はできないことに注目しがちですが、
できることにも目を向けて
自信回復ができるようにサポート

していきましょう。

まずはこの2点を注意してサポートして
みてください。

お返事まで。

堀田


ということで
高次脳機能障害の方をサポートする際の
注意点を2つアドバイスしました。

音楽療法のセッションでも同じ

実は
実際の音楽療法のセッションでも
この2つの注意点を取り入れています。

そうすることでクライアントは

  • 自信回復
  • モチベーションアップ
  • ストレス解消
  • 感情の安定化

ができるのです。

とはいえ
高次脳機能障害についてはまだまだ
知られていない現状だと思います。

なので
適切なサポートについて
迷われるのもムリはないと思います。

目の前や周囲に高次脳機能障害の方がいて、
適切なサポートを必要としている時には
そうもいってられませんよね。

そんな場合には
音楽療法セラピスト®養成講座
「脳血管性障害の音楽療法」の講座をオススメします。

この講座では

  • 脳の働き
  • 高次脳機能障害について
  • 高次脳機能障害の方へのサポート方法
  • 高次脳機能障害の方の音楽プログラムの作り方
  • 失語症の方の音楽プログラムの作り方
  • 中途障害の方の心理について

学ぶことができます。

実際の症例を紹介しながら解説しますので
理解が深まります。

講座を受講して
適切なサポートをしませんか。

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それでは
今日も元気にまいりましょう。

音楽療法セラピスト® 堀田圭江子