堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

以前、
ダウン症で言葉がほとんど出ないお子さんの
セッションを担当したことがありました。

その時に行った
発語を促す音楽療法のプログラム
をご紹介したいと思います。

A君は17歳でダウン症です。
知的な遅れもあり
言葉は話せませんでした。

初回では
お名前を呼ぶと「うんうん」と首を縦にふって
答えるだけでした。

また
何か欲しい物や他人を呼ぶ時は
指差しや腕を引っ張り
意思を伝えていました。

そんな中
言葉で意思を伝えられるようになって欲しい
というお母様の強いリクエストがあり、

私たちは
発語を促すプログラムを
実践することにしたのです。

ダウン症の子供の発語を促す音楽療法のプログラム

以下プログラムです。

1、山びこで声を出す

A君の向かい側に数メートル離れてセラピストが立ちます。

そして
A君にセラピストを「おーい」と呼んでもらう。

その声が届いたら(出ていたら)
セラピストが「はーい」と手を振って応える。

このプログラムでは
相手に自分の意思を伝える方法を知って、
それができるようになることが目的
です。

2、本人の好きな曲を使って発声を促す

当時彼が好きだった曲が
「慎吾ママのおはロック」だったので
その歌詞の
「おっはー」「おっはー」
部分をA君に歌ってもらいました。

このプログラムでは
好きな曲を使うことで
声を出すことの意欲や集中力を
上げることを目的
としました。

以上この2つのプログラムを
他のプログラムに追加して
実践していきました。

発語を促すプログラムを実践した結果

3ヶ月目

すると
3ヶ月目くらいから
「あ、あ、」と短い声が出るようになりました。

5ヶ月目

その後
5ヶ月目には
「あーー」とか「おーい」という発声に変わっていきました。

1年後

そして
1年後には
「おはよ」「せぇんせ」と言えるようになっていたのです。

私たちもその変化に
とても喜びましたが
何よりお母様が
一番喜ばれておりました。

このような結果が出た理由

さて
そのような変化を促すことができた
プログラムですが
ここでその理由を考えてみたいと思います。

それは
「彼の状態に合ったプログラム」
だったということが考えられます。

音楽療法では
クライアントさんの状態に合わせて
プログラムを組み立てます。

マニュアルはありません。

そのため
クライアントさんが
今どのような状態かを見極めて
何が必要かを考える必要があるのです。

実は
今回ご紹介した彼について、
体の状態や意欲の状態、興味などの点について
細かくアセスメントしてからプログラムを組みました。

そのプロセスがあって
発語できるようになったのではないかと思われます。

しかし
障がいには個人差があり
クライアントさんの状態を
正確に見極めるのは
簡単ではないのも事実です。

もしもあなたが

  • 「クライアントさんの状態について
    正確に把握しているか自信がない」
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    クライアントさんの状態を正確に把握できるの?」

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それでは
今日はこの辺で。

音楽療法セラピスト® 堀田圭江子