堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

認知症の方を対象にした
音楽レクや音楽を使った活動にすぐ使える
「認知症のための歌のプログラム」をご紹介します。

認知症のための歌のプログラム

以下参考になさってください。

  • 使用する曲:かあさんの歌
  • 対象者:認知症の方
  • 目的:発語の促進、身体の活動性を上げる

プログラムの実践方法

  1. 全員で歌詞を読む(3番まで)
  2. 全員で音読する際に、
    読んでいなかった方を個別に指名して
    1番または数行だけでも読んでもらう
  3. 全員で2回歌う(3番まで)
  4. 参加者に母親の名前を思い出して答えてもらう

    「では、ここでみなさんに聞いてみたいと思います。
    みなさんのお母さんのお名前は何というお名前でしたか?」

    「お一人ずつ、聞いていきますので思い出してくださいね。」
    と質問を投げかける

  5. 一人ずつの答えをホワイトボードに書いていく
  6. 名前の特徴をピックアップしコメントをする

    例えば、フミ、イチなどの場合は
    「カタカナ2文字の方が多かったですね」

    また、同じ名前の方がいる場合は
    「同じ名前の方がいましたね」
    など

    そして
    「みなさん、お母さんのことを思い出してくださいましたが、
    思い出すことで頭の中も活性化されたと思います。」

    とコメントする

  7. 再度、全員で3番まで歌う

    「では、もう一度みなさんで歌います。
    今度は顔を上げて姿勢を良くして歌ってみましょう。

    顔を上げるとしっかり声が出るんですよ。
    声をしっかり出して体も活性化しましょう。」

    などとアナウンスして歌うことを促す

以上がプログラムの実践方法です。

このプログラムのポイントは3つあります。

1、発語を促す

歌詞を3番まで音読することで
発語を促せます。

2、脳の活性化を促す

お母さんの名前を思い出すことで
長期記憶にアクセスし
脳の活性化を促せることが期待できます。

3、身体の活動性を上げる

歌唱は呼気・吸気を使います。

また、姿勢を保持するための
腹筋背筋も刺激されます。

たとえ座ったままでも
全身を使う活動になりますので
身体の活動性を上げられると思います。

この3つのポイントを意識して
お試しくださいね。

まとめ

実際
私の音楽療法でもこのプログラムを実践しています。

多くのクライアントさんが
発語が増えたり
寒い時期も元気に活動できるように
なっています。

このように、、、

目標が明確になっているプログラムは
認知症の方の症状を改善したり向上を
導くことができるのです。

しかし
対象者に対する適切な目標を見極めたり
設定することは簡単ではないかも
しれません。

どうやったらいいのか
わからないとお困りの方も
多いのはないでしょうか。

そんな場合には
音楽療法セラピスト®養成講座
「高齢者の音楽療法1」に参加をオススメします。

この講座では

  • 様々な認知症を正しく理解する
  • 適切な個別目標の設定の仕方
  • 認知症の方のための音楽を使ったプログラムの作り方

について詳しく解説します。

対象者にぴったりの目標設定の仕方を学んで
音楽レクやボランティア活動を
もっと充実させていただけたらと思います。
↓ ↓ ↓
音楽療法セラピスト®養成講座
高齢者の音楽療法1

それでは今日も1日元気にまいりましょう。

音楽療法セラピスト® 堀田圭江子