堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

今日のお話しは、

「娘の名前を思い出した認知症のAさん」と
そのプログラム作成のポイント

についてお話しします。

先日、
アルツハイマー型認知症のクライアントさん
との個人セッションでこんなことがありました。

クライアントさんはAさん、85歳、女性。
アルツハイマー型認知症です。
発症されてから8年経過しています。

そして音楽療法は
2年ほど前から受けられています。

セッション始めた頃のAさんは
いつもニコニコされているのですが
こちらの言葉を理解されていない様子でしたし
自分のからの発言はありませんでした。

ただ
趣味でコーラスをやっていたこともあり
私が歌を歌うと
「良かったね」「嬉しい」
と言う単語は話されていました。

そんなAさんですが
いつもようにセッションし、
終わりの挨拶をしていると
同席されていた娘さんが
Aさんのそばに来られました。

「お母さん、楽しかった?」
と娘さんが声をかけると、、、、

「あら、○○子ちゃん。」
と答えられたのです。

私と娘さんは
目を見合わせて驚きました。

「今、私の名前言ったわよね。お母さん。」
と娘さんが再度言われると、

「うん、○○子ちゃん」
ともう一度はっきり言われました。

それを聞いた娘さんは
「お母さん、そうよ、私○○子よ。」と
涙ぐまれていました。

なんと
数年ぶりに娘さんの名前を言われたのです。

私も胸が熱くなりました。

このように、、、、
音楽療法では記憶の再生を助け、
発語を促すこともできます。

(なお個人差もあるため
全ての場合に変化が期待できるわけではありません)

発語を促すためにはクライアントさんの状態に
合わせたプログラムを組むことが必要となります。

ちなみに
先ほどのAさんの場合は、
発語が減少してきた状態の変化に合わせて
発語しやすい曲を選曲しました。

たとえば

  • ゆっくりしたテンポの曲
    「故郷」:うーさーぎーおーいし、かーのーやーまー
  • 同じ歌詞が繰り返し使われている曲
    「月」:出た出た月がー丸い丸いまん丸い
  • 擬音語が使われている曲
    「隣組」:トントントンカラリと隣組ー

また
1曲歌った後に、
Aさんの子供の頃の話題や
娘さんが小さい頃のエピソードを話し
長期記憶を刺激したのです。

という具合に
目的を持ったプログラムを実施したために
Aさんは娘さんの名前を思い出されたの
ではないかと思います。

改めて
あきらめずに音楽療法を続けていく
大切さを感じたところです。

実はこの他にも
高齢者の方への音楽療法の有効性は
たくさんあります。

その実例については
音楽療法セラピスト®養成講座
「高齢者の音楽療法1と2」で
詳しくお話しします。

またこの講座では
音楽を使って簡単にサポートする方法についても
紹介します。

大切な方へ
音楽で何かをしてあげたいと
思われている方は
ぜひご参加ください。
↓ ↓ ↓
音楽療法セラピスト®養成講座
「高齢者の音楽療法1と2」

音楽療法セラピスト®養成講座は、
仕事を続けながら、子育てしながら
ムリなく学べ、修了期限もありません。

あなたにとって必要な講座だけを学ぶこともでき、
受講する順番にも決まりはありません。

楽器が弾けなくても、
音楽を専門的に勉強していなくても大丈夫です。

さらに現場実習にも参加することで
講座で学んだことを実践しながら
確かなスキルとして身につけていただけます。

「高齢者の音楽療法1、2」に参加された受講生の感想もお読みください。

※Kさま 女性(58才)神奈川県 看護師

老健での仕事の中で、利用者が車イスに座ったまま
何時間も放置(?)されていることが目につく。

その状況を少しでも改善できればと、介護スタッフに何か情報提供できればと思い受講しました。

音楽療法と高齢者介護、特に認知症との関わりを十分な程の説明と、
先生の体験談が実に有意義でした。

初めての参加で不安もありましたが、現在の仕事に即、役立つ内容で、
とても充実していました。

次回の講座もできるだけ参加したいと思います。


※Aさま 女性(56才)東京都 専業主婦

高齢者の音楽療法に、主に関われるようになれればいいなァと思い参加させていただきました。

認知症のことなど、知らないことがまだまだ多いですので、
高齢者2の講座にも参加させていただきたいと思います。

体に重りをつけたり、疑似体験できたことは良かったです。
自分の生活や家族にも関わることであり、勉強できて良かったです。


※Sさま 女性(50才)神奈川県 ピアノ講師

両親の介護を通して日常生活で音楽をどのように
取り入れていけるか知りたくて受講しました。

毎回とても良い刺激をいただき有り難うございます。
老化した頭ではついていくのが大変ですが、頑張りたいです。

またよろしくお願いします。


※Tさま 女性(54才)群馬県 ピアノ講師

高齢者の方々を実際に前にした時、自分でセッションできるだろうか?
自分が知りたかったプログラムの作り方、事例など本当に学べるのか、
アウトラインだけで終わってしまわないか不安でした。

でも認知症などの詳しいこと、対応の仕方等学べたらと思い参加しました。

今回2回目ですが、先生の経験されたセッションなど
細かい内容を聞くことができたので良かったです。

まだ受講しておりませんが、事例研究や実習などがあるので、
そのようなことを受けることによって、できるかもしれないという気持ちに変わってきました。

いつになるかわかりませんが、スケジュールを調整して
また受講したいと思います。


どんな現場にも対応できる
実践力を身につけるなら
「音楽療法セラピスト®養成講座」がオススメです。

それでは
今日はこの辺で。

音楽療法セラピスト 堀田圭江子