堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

今日は
あばれん坊ですぐ飽きる小1男子の音楽療法
をご紹介します。

今から10年前のお話しです。

私は小学校1年生から3年生までが
参加する
小グループセッションを担当していました。

そのグループの中に
A君がいました。

彼は
やる気はあるけどすぐ飽きて、
思い通りにならないとすぐに怒り出し、
お友達となかなかうまく付き合えない
小学校1年生の男子です。

ADHD(注意欠陥多動症)のため
いつもケンカばかりで困っている

お母様も悩まれていました。

そのお悩みをうかがって、

まずは「衝動的な感情を少しコントロールできるようにする」
を目標にセッションすることにしました。

そんな彼の
ある日のセッションのことです。

順番にトーンチャイムを鳴らす
というプログラムだったので
私は
「A君、順番に鳴らしますよ。あなたは3番目に鳴らしてください。」
と指示しました。

すると彼は
「いーやーだー。僕が1番目にやるー。」
と主張しました。

予想通りの反応に私は
「あなたのやりたい気持ちはわかりました。
でも今日は3番目に鳴らしてください。」
と引き下がらず再度指示を出しました。

そうしたところ
「ヤダヤダ、イヤだー」と駄々をこね、
しまいには1番目に鳴らす人のトーンチャイムと自分のトーンチャイムを
交換して1番目の子を追いやってしまったのです。

見事な惨敗でした(汗)。

それからも対決(笑)は続きましたが
私は負け込んでいました。

そんなある日
あるアイディアが浮かんだのです。

そのアイディアとは
「彼にリーダー役を担当してもらう」
というものです。

彼の特徴の一つに
やる気がある=つまり意欲が高い
という点があります。

その特徴を活用し伸ばしてあげることで
衝動的な感情を少しでもコントロールできる
のではないかと考えたのです。

早速
以前と同じトーンチャイムを順番に鳴らす
プログラムを試してみることにしました。

今回は
「A君、先生のお手伝いをしてください。
楽器を1個ずつ、みんなに配って欲しいです。」

と先に、彼に役割を担当できるかと
確認しました。

すると
「はい。僕やります。」といい
文句も言わずに配ってくれたのです。

それから私は
「A君ありがとう。
じゃあね、今日は先生じゃなくてA君に指揮をしてもらいたいんだけど、
やってくれるかな?」
と聞きました。

「うん、僕、やるー。」と言ったので

私は
「先生が見本を見せるから、1回見てください。」
といい指示の出し方を教えました。

すると
A君は1回見ただけでその指示の出し方を覚え、
指揮をしたのです。

そこで私は
「A君、指揮うまかったねー。すごいね。」
とほめ、

さらに
「その調子で
トーンチャイムもやろっか。」
と誘うと、

「僕、この音がいい」

と言って
順番に鳴らす最後の番にあたる音を
自ら選んだのです。

私は驚いて
「えー、順番最後でいいの?大丈夫?」
と確認したところ

本人は
「うん、僕、最後まで待てるもん。」
と言いました。

そして
見事に順番を守り、演奏することができたのです。

それからというもの
セッション中のケンカが減り、
大声で叫んだりして
セッションを中断させる
ことはほとんどなくなりました。

まとめ

音楽療法では
子供の特徴を活かしたセッションをすることで
ムリなく行動や感情のコントロールを促すことができます。

そのためには

  • 子供の特徴をしっかり観察し把握すること
  • その特徴を活かせるプログラムを組むこと

が必要になります。

しかし
子供の特徴を活かしつつ
音楽や楽器をどのように取り入れて
プログラムを組み立てるかは
簡単ではないかもしれません。

その際に
お役に立つのが
「障がい児の音楽療法2」の講座です。

この講座では
VTRを使って実際のセッションの様子を見ながら
子供たちの特徴を活用したプログラムの
組み方を解説します。

また
自閉症お子さん
ダウン症のお子さん
ADHDのお子さん
に適応するプログラムのコツもお話しします。

今の
音楽の活動やレッスン・
ディサービスなどに
より充実感や効果を出したいと思われる方には
オススメの講座です。

ぜひ
ご参加ください。
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音楽療法セラピスト養成講座
「障がい児の音楽療法2」

音楽療法セラピスト養成講座は、
仕事を続けながら、又は子育てしながら
ムリなく学べ、修了期限もありません。

あなたにとって必要な講座を学べ、
受講する順番にも決まりはありません。

楽器が弾けなくても、
音楽を専門的に勉強していなくても大丈夫です。

さらに現場実習にも参加することで
講座で学んだことを実践しながら
確かなスキルとして身につけていただけます。
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「障がい児の音楽療法2」に参加された受講生の感想もお読みください。

※Iさん 女性(43才)東京都 会社員

障がい児についての基礎知識(どんな障がいがどのような原因で現れるのか、
どのように音楽療法で助けることができるのかなど)を学びたいと思い参加しました。

期待通りでした。

ADHDと自閉症については実際のセッションのビデオを見ながら
具体的に解説が聞けたので特に良かったです。

この講座を選んだ理由は、実践的な内容が学べること
(堀田先生のご経験から直接学べること、理論に裏付けされていること)

自分のペースで受講するタイミングが選べること、
さらに実習も合わせて機会をいただけることです。

「当たり前のことを当たり前にやれば良い」と言う点、気づかされました。
今後より多くの事例から学んでいきたいと思います。
ありがとうございました。


※Kさま 女性(53才)静岡県 その他

職場において、いわゆるグレーではないか?と思われる方との関わりで、
葛藤といった図式にどっぷり浸かっている状態で気疲れしていました。

講座を受け、別の視点を持てるような気がしてきて気持ちが楽になりました。

(ちょろすけ君)障がい児対して、何となくそれがいいだろうという理由で行うのではなく
明確な目的を持ち、「○○できるようにするために」と文章化や言葉化することで、
セラピスト自身が自信を持てるようになると気づかせていただきました。


※Nさま 女性(49才)京都府 専門職

なんどもメールを読んでは、
ここで何かを見つけられるかも知れないと思い受講しました。

期待以上でした。

堀田先生がおっしゃった言葉が自分にストーンと落ちて
整理できるようになりました。

念願叶い受講できて良かったです。
たくさんのヒントをいただきました。
ありがとうございました。


音楽療法セラピスト養成講座

それでは今日はこの辺で。

音楽療法セラピスト 堀田圭江子