音楽療法講座

音楽療法について音楽療法士の堀田圭江子がご案内します!

音楽療法はクライアント理解から始まる

堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
30年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

「音楽療法はクライアント理解から始まる」というお話しです。

私は以前、
自閉症の方たちとの音楽療法をしていました。

その時のことです。

高校1年の男子で
ほとんど言葉がなく
会話ができませんでした。

でも
セッション以外では、
ブツブツ独り言をいったり
走りながら大きな声をあげることがありました。

私は
その彼と何とかコミュニケーションをとろうと、あの手この手で頑張りました。

数ヶ月経って、
プログラムの指示には、
動いてくれるようになりました。

しかし
私は彼の行動の意味を
ちゃんと分かってはいませんでした。

なので、
音楽療法の効果も今ひとつはっきり出ていなかったのです。

そんな時
この本に出会いました。
自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心
東田直樹著

その本は
自閉症の著者が質問に答えるスタイルで、とてもわかりやすいものでした。

中でも
私を助けてくれた箇所をご紹介したいと思います。

質問:大きな声はなぜ出るのですか?

答え:
変な声を出している時には、
自分が言いたくて話をしているのではありません。

コントロールできない声というのは、
自分が話したくて喋っているわけではなくて、
反射のように出てしまうのです。

何に対する反射かというと、
その時見た物や思い出したことに対する反射です。
それが刺激になって、言葉が出てしまうのです。

止めることは難しく、無理に止めようとすると、
自分で自分の首を絞めるくらい苦しくなります。

自分では自分の声は平気なのです。

人に迷惑をかけていることは、分かっています。
僕も静かにしたいのです。

けれども、僕たちは口を閉じるとか、
静かにするとか言われても、そのやり方が分からないのです。

声はぼくらの呼吸のように、僕らの口から出て行くものだという感じです。

本文より部分抜粋

私は
この本を読み、納得しました。

そしてそれからは
高校生のクライアントさんとは、
自然体で接することができるようになりました。

というように、
音楽療法はクライアントさんの
理解なくして進めることはできません。

しかし
他人を理解することは、
簡単なことではありませんね。

クライアントさんを理解するには
クライアントさん本人に質問するのが一番ですが、
それが難しい時はできるだけ情報を集めたり、
その障がいや疾患についての勉強することが大切になります。

中でも
実際のクライアントさんとのエピソードや実例は、
セッションする上で強い味方になります。

ということで
自閉症や発達障がいの方との
実際の音楽療法のお話しは、
「障がい児の音楽療法1.2」でいたします。

 

無料で音楽療法メールセミナーを購読する

毎日9日間、朝7時にあなたのメールボックスにお届けします。

目次

  1. 音楽療法って何??
  2. 音楽の特性
  3. 音楽療法の特徴
  4. 音楽療法はどこで、誰が受けている?
  5. 音楽療法の効果について
  6. 音楽療法士になるためには
  7. 音楽療法士の現状
  8. 音楽療法士(セラピスト)に必要なこと
  9. 最後に・・・

お名前を入力

 

メールアドレスを入力

※購読解除はいつでも可能です

この記事を書いている人

テキストのコピーはできません。