音楽療法に参加している失語症のAさんが
言葉を取り戻した事例とその理由について
お話しをします。

ある高齢者施設で
失語症のAさん(80歳代)女性が
セッションに参加しています。

Aさんは10年前に脳梗塞になり
言葉がうまく話せない後遺症
が残っています。

音楽療法でのAさんの様子

セッションには1年前から参加

セッションには1年前から参加していますが
最初は名前も言わず、うんうんとうなずくだけでした。

また
質問しても話そうとする意欲もなく
何度か同じことを質問すると
手を振って拒否する反応をされていたのです。

3回目のセッション

3回目のセッションから
お名前を質問すると「あ」という風に
口を開けるようになった
のです。

私は「これはしめたと」思い、
次のセッションから
「あ」の母音だけで歌うプログラムも
取り入れることにしました。

すると
Aさんは「あ」と口を開けるだけでなく
声も出すようになったのです。

その後、母音だけの歌唱を2ヶ月ほど行なった結果

その後
母音だけの歌唱を2ヶ月ほど行い
しばらくたったある日のセッションで
嬉しいことが起こりました。

Aさんが
「富士山」の歌の冒頭「あーたまーを」を
歌ったのです。

その声を聞いた時
私は驚きと嬉しさでウルッときました。

それからは
富士山のようなゆっくりしたテンポの曲を
最後まで歌えるようになりました。

そして
自分の名前や短い会話ができるようになったのです。

そのため
介護職員さんもケアしやすくなったと
喜んでいました。

ということで
Aさんは十数年ぶりに
再び話せるようになりました。

なぜAさんが再び話せるようになったのか

ではここで
なぜAさんが再び話せるようになったのかを
考えてみたいと思います。

次の
2つの理由があるのではないでしょうか。

1、リラックスできる雰囲気だった

音楽療法は教育とは違い
「正しい答えを求めない」
という特徴があります。

そのため
クライアントはどのような反応や答えを
しても点数をつけられることはありません。

なので
なんの気負いも緊張もなく思ったことを言ったり
反応したりできます。

つまり
リラックスした状態でセッションに参加していたので
言葉や声も出しやすかったのではないかと思われます。

2、母音だけの歌が発声練習になった

「あ」だけで歌うプログラムは
発声練習には適しています。

なぜなら
失敗がないからです。

Aさんの場合も
「あ、あ、あ」と短い声からはじめて
「あー、あー、あー」と少しずつ長い発声に
なっていきました。

少しずつ声を出す経験が
自信になっていったのではないかと思います。

以上
この2つの理由が
Aさんの言葉の再獲得につながったと
考えられのです。

失語症の方の後遺症改善にも音楽療法は有効

このように
失語症の方の後遺症改善にも音楽療法は有効
です。

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それでは
今日も元気にまいりましょう。

音楽療法セラピスト® 堀田圭江子