堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

こんにちは。 音楽療法士の堀田です。

さて、 今日はある作業療法士の卵さんとの会話をご紹介します。

その作業療法士の卵さんは男性です。

今年の4月からある高齢者施設で、
私が担当する音楽療法にスタッフの1人として入ることが決まり
音楽療法とは何かをレクチャーしました。

彼は高齢者施設で6年介護職として働き退職。
もっと専門性を高めたいということで
作業療法士の勉強をしている最中とのこと。

この会話ので「音楽療法の効果を維持するために必要なこと」として
とっても大切なことが分かりました。

…では2人の会話を抜粋してお届けします…

堀田:音楽療法と作業療法はリンクするところがありますよね。どこですか?

卵君:「うーん。利用者さんの力を引き出す?」ですか?

堀田:はい、そうです。
   さらに、私は音楽療法でどんなことを大切にしているかというと
   「セッション中に出てきた反応や言葉、表情などを
   いかに普段の生活の場でも出すことができるか。」ということです。

普段の生活に変化があってはじめて音楽療法の効果だといえると思うんです。

卵君:普段の生活の変化で効果をみるって、そこまで考えるんですね。すごい!

堀田:でも、普段の生活まで私は面倒をみられません。
   ですが、その場合音楽療法の効果を維持させるために何か方法はないでしょうか?

卵君:えーっと。うーん。ちょっとわかりません。

堀田:答えは、他職種の方々と連絡をとることです。
   介護職をはじめ作業療法士や理学療法士や看護士など利用者さんをとりまく人が
   情報を交換し合っていくことで音楽療法の効果を維持させることが可能だと思います。

   具体的にはセッションの様子や反応、セラピストがどのように利用者さんに
   アプローチしたか?
   などを他職種に記録や話すなどして伝えていくのです。

卵君:はー、なるほど。

堀田:施設には、専門職がたくさんいて、みなそのポジションでがんばって仕事をしています。
   しかし、それは個人プレーのようなもので
   いくらがんばってもそのがんばりは点でしかありません。

   でも、他職種と連携をうまくとっていけば、
   その人ががんばった「点」が次の人へ伝えられた時 「線」に変化します。

   その「線」が利用者さんをぐるっと取り巻いた時に、
   活きたサポートになるのだと思います。

   私はいつもそのイメージを持って、他職種の方々と仕事をしています。

卵君:先生、そうです。僕も前職でそういう風に仕事をしたかったのに、
   できなかったんだと 今話を聞いていて思い出しました。
   まさか、ここでそれを学べるとは。ぜひ、しっかり勉強させてください。

堀田:よしよし、一緒にやりましょう。よろしくね。

…というわけで、 スタッフの1員となった彼は
とても積極的に利用者さんにも関わり いろいろトライしています。

音楽療法の効果を維持するためには
ほかの方々との連携と協力と理解があってこそです。

そのためには 日頃からのコミュニケーションを大切にして
お互いの理解を深め信頼関係をしっかり作っていくこと
これからもしていきたいと思います。

あなたの参考になりましたらうれしいです。

では、今日はこのへんで。

音楽療法士  堀田圭江子

追伸:
6月の「音楽療法概論」ですが、
1名様キャンセルがでました。
  ↓  ↓  ↓
音楽療法概論

おかげさまで昨日満席になりました。 ありがとうございます。

5月の「高齢者の音楽療法1、2」は、あと2名となりましたので
参加を検討されている場合は早めにお申し込みくださいね。