堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

今日のお話は、
「認知症の方が歌を再び歌えるようになった理由」というお話しです。

ある高齢者施設に入所されている
90歳代のアルツハイマー型認知症の女性
名前はCさんとします。

普段はほとんど話はせず、
何を質問してもニコニコしているだけで、
イエス・ノーの意思もはっきりしない方です。

家族の希望(若い頃、コーラスの経験がある)により
音楽療法に参加されました。

音楽療法開始当初は
セラピストや他の参加者の歌う歌や
ピアノの伴奏に首をふりながら聞くだけで
本人はまったく歌いませんでした。

しかし5回目のセッションの時、変化が起こりました。

それは、、、
Cさんが歌っている私の口を注目し始めたのです。

そのことに気づいた私は
Cさんに向かって、曲のテンポをゆっくりにして口を大きく動かし
歌いかけました。

するとどうでしょう。

Cさんは
口を少しずつ動かしたはじめたのです。

しかし
その回のセッションではそこまでの変化で、
声が出るところまでいかずに終わりました。

それからセッションを重ねること数回。

Cさんは次第に歌えるようになっていきました。

まず
私の口を見ながら、歌詞を真似するようになり、

それから
ワンフレーズ声が出でて、

その次に
曲の最初と最後だけ歌い、

最後に
1番を歌えるようになったのです。

私をはじめ
スタッフ全員が喜んだのはもちろんですが、

歌っているCさんをご覧になった
ご家族は大喜びされていました。

認知症のCさんが再び歌えるようになった理由

さてこのCさんの変化ですが
実は
偶然に起きたわけではなく
ある考えに基づいたアプローチが実った結果でした。

そのある考えとは
ずばり!

「特徴を活用したアプローチ」です。

Cさんの変化は
セラピストの口元を見て、その口を真似し出した
ことから始まりました。

ということは
セラピストの口元を見ていたということですね。

これは
Cさんのある特徴でした。

その特徴とは
「視覚優位」という特徴です。

人間にはいろいろな特徴(タイプ)があります。

Cさんのように視覚優位の方は、
視覚をうまく使って記憶や理解や処理を行うタイプと言われています。

私は
その特徴を捉えて、
Cさんには、目で見てわかるアプローチをしていったのです。

そして
Cさんは歌うということを取り戻していったのではないでしょうか。

このように
音楽療法では、クライアントさんのもつ様々な特徴を活用して
行動の変化につなげていくことがあります。

しかし
クライアントさんがどのような特徴を持っているのかを
すぐに発見するのは簡単ではありません。

私も
セラピスト新米時代は、なかなかできませんでした。

では
どうしたら見つけられるようになるのか?
それはある程度の経験を積むことが必要です。

しかしそんな時間はない、そんな方にオススメなのが
「事例研究」の講座です。

この講座では、
クライアントさんの特徴の見つけた方をはじめ
その特徴をセッションにどのように活用していくのかを
詳しく紹介していきます。

クライアントさんの見方や理解も深まり
今までと違う音楽療法セッションや音楽レクを実践することができるようになります。

ぜひ
ご参加くださいね。
音楽療法セラピスト養成講座「事例研究」

「事例研究」に
参加された受講生の感想も参考にお読みください。

※Wさん 男性(54才)専門職(医師)

音楽療法を繰り返して行うことがクライアントに
どういう変化をもたらせるか知りたいと思い受講しました。

何年にもわたる音楽療法の繰り返しの事例をみせてもらって
とてもためになった。

いつも勉強になります。


※Sさん 女性(62才)介護職

たくさんの事例を知ることが自分にとって必要だと思っていましたが、
なかなか具体的にどのようなものかがわからなかったので、
今日の講座は期待通りでとても役にたちました。

事例研究の講座があればあるほど勉強になります。


音楽療法セラピスト養成講座は、
どの講座からスタートされても大丈夫です。

音楽の専門知識や、特別な準備は必要ありません。

10名の少人数制ですのでリラックスして参加でき、
知りたいことや聞きたいこともその場で質問可能なので、
より理解が深まります。

それでは今日も1日はりきってまいりましょう!

音楽療法セラピスト  堀田圭江子