堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

こんにちは、堀田です。

さて本日は
音楽療法で効果を出すセッションの基本についての話しを聞いてください。

先日、
ある特別養護老人ホームでセッションしました。

そこは小集団でのセッションです。

その中に、
ある認知症の女性クライアントさん90歳代の方なんですが
左手が拘縮しており自分では動かすことはない方
がいらっしゃいます。

太鼓のプログラムでは
左手にバチを持ってもらおうと誘導しても
セッション中は右手で持ちます。

そこで
ある介護職の女性スタッフが
セッション終了後、
他のメンバーが居室や食堂に戻った後、
上記のクライアントさんを一人残して私にこう言いました。

うん、やってみよう。

私は即答しましたが、
クライアントさん本人の意思確認の必要もあったので

「○○さん、左手でも太鼓やってみましょうよ」

と聞くと本人もうなずいたので、左手にバチを持ってもらい
私が先に太鼓をたたき、そのリズムを真似てもらうため次に太鼓を差し出しました。

するとどうでしょう。 そのクライアントさんは見事に力強く太鼓を叩いたのです。

「おお!」

それを見た介護職のスタッフが

と笑顔でいいました。

うんうんと私はうなづいて応えました。

介護職のスタッフの観察力にも感心

私は、クライアントさんの潜在能力にも驚かされましたが
左手を動かすチャンスを作った介護職のスタッフにも感心しました。

そのおかげで
セッションの中での反応を起こした理由が理解できたり
言動の分析の大きな参考にすることができています。

そしてセッションでの反応の分析結果は
クライアントさんの
日常の生活場面で活用できる形にして
現場の介護職スタッフへ伝えています。

というわけで
変化し続けるクライアントさんたちを観察し彼らを正しく理解することは
音楽療法で効果を出すセッションの基本中の基本です。

しかしながら
意外とおざなりになったりもするものです。

でも
基本はやはり大切です。

ぜひ
心がけてやっていきましょう。

効果を出すには
「クライアントさんをしっかり観察し理解する」

ちなみに
高齢者の理解には
高齢者の音楽療法1と2の講座がおすすめです。

ぜひ、復習の方も活用くださいね。

では今日はこのへんで。

音楽療法セラピスト 堀田圭江子