音楽療法はクライアント理解から始まる

「音楽療法はクライアント理解から始まる」というお話しです。

私は以前、
自閉症の方たちとの音楽療法をしていました。

その時のことです。

高校1年の男子で
ほとんど言葉がなく
会話ができませんでした。

でも
セッション以外では、
ブツブツ独り言をいったり
走りながら大きな声をあげることがありました。

私は
その彼と何とかコミュニケーションをとろうと、あの手この手で頑張りました。

数ヶ月経って、
プログラムの指示には、
動いてくれるようになりました。

しかし
私は彼の行動の意味を
ちゃんと分かってはいませんでした。

なので、
音楽療法の効果も今ひとつはっきり出ていなかったのです。

そんな時
この本に出会いました。
自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心
東田直樹著

その本は
自閉症の著者が質問に答えるスタイルで、とてもわかりやすいものでした。

中でも
私を助けてくれた箇所をご紹介したいと思います。

質問:大きな声はなぜ出るのですか?

答え:
変な声を出している時には、
自分が言いたくて話をしているのではありません。

コントロールできない声というのは、
自分が話したくて喋っているわけではなくて、
反射のように出てしまうのです。

何に対する反射かというと、
その時見た物や思い出したことに対する反射です。
それが刺激になって、言葉が出てしまうのです。

止めることは難しく、無理に止めようとすると、
自分で自分の首を絞めるくらい苦しくなります。

自分では自分の声は平気なのです。

人に迷惑をかけていることは、分かっています。
僕も静かにしたいのです。

けれども、僕たちは口を閉じるとか、
静かにするとか言われても、そのやり方が分からないのです。

声はぼくらの呼吸のように、僕らの口から出て行くものだという感じです。

本文より部分抜粋

私は
この本を読み、納得しました。

そしてそれからは
高校生のクライアントさんとは、
自然体で接することができるようになりました。

というように、
音楽療法はクライアントさんの
理解なくして進めることはできません。

しかし
他人を理解することは、
簡単なことではありませんね。

クライアントさんを理解するには
クライアントさん本人に質問するのが一番ですが、
それが難しい時はできるだけ情報を集めたり、
その障がいや疾患についての勉強することが大切になります。

中でも
実際のクライアントさんとのエピソードや実例は、
セッションする上で強い味方になります。

ということで
自閉症や発達障がいの方との
実際の音楽療法のお話しは、
「障がい児の音楽療法1.2」でいたします。

 



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