堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

「小物を使って季節感を感じる」というお話しです。

突然ですが、、、

あなたは
「春だなあ」と感じる時はどのような時でしょうか。

  • 春の日差しが強くなった時
  • 上着がいらなくなった時
  • アイスが食べたくなった時
  • お花がたくさん咲き出した時
  • 洋服屋さんの服が淡い色の服が多くなった時

などなど
これ以外にもいろいろあると思います。

しかし
高齢者の方で特に施設に入居されている場合は
季節感を感じることが難しいかもしれません。

なぜなら
ご自分ひとりで外出することができなかったり
少なかったりするかもしれません。

たとえテレビから情報が流れていたとしても
周囲への興味や関心が薄い場合は、
注意してテレビを見ているわけではないため、
季節を感じることは難しいと思われるからです。

しかし
季節を感じながら暮らすことは
とても自然なことだと思いますし
日本には素晴らしい四季があるので
私は
クライアントさんに季節感を感じてもらえるように
セッションの中で工夫しています。

例えば、
最近は「春」を感じるようにしています。

先日
ある施設では
2階のセッション部屋がちょうど桜の木が正面に見えるため
セッション中、桜を眺めながら歌を歌ったりしました。

また
ディサービスでは
「生のたけのこ」を持参して行き、
クライアントさんにたけのこを実際に手にとってもらい
香りを楽しんだり、触ってもらいました。

さらに
アクの抜き方や、調理方法なども伺ったりして
かなり話が広がりました。

また
菜の花なども高齢者の方には馴染みが多いようで
食べ方や、どこで見かけたなど
あちこちで会話をする声が多く聞かれました。

その後
歌詞の音読やフルコーラス歌った歌唱の声が
実によく出ていました。

このように
お花や野菜や果物などの小物をセッションの中で使ってみることで
クライアントさんの意欲をアップさせたり、発語を促すことができます。

さらに
会話が弾むことで、発声の代わりにもなり無理なく歌唱することにもつながります。

ぜひ
季節の小物を活用して
いつものセッションをさらに楽しく充実してみてくださいね。

なお、
高齢者の方への効果的な小物の使い方については、さらに音楽療法セラピスト養成講座「高齢者の音楽療法1」でお伝えします。

それでは、今日も1日張り切っていきましょう!

音楽療法セラピスト 堀田圭江子