堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

こんにちは、堀田です。

さて本日は
みなさんからいただいた
音楽療法に関する質問にお答えしたいと思います。

早速ですが、

Q1:音楽療法はどのようなことをするのですか。

音楽療法は2つのスタイルがありますが、

施設や学校、なんらかの集団で行う場合の多くは能動的な音楽療法です。

実際には体を動かす(体操)、歌う、楽器を演奏する、
会話する、音読する、ゲームのようなものをする、
ダンスをするなどの内容です。
能動的音楽療法とは、参加者が自分の体や心を動かす活動です。
 
それに対して
受動的な音楽療法とは、
音楽の演奏を聴く、CDを聴く、演奏を聴いて体をゆるめるリラックスさせる、
イメージを膨らませる、過去の記憶を蘇らせるなどの内容になるかと思います。

受動的音楽療法は集団よりもマンツーマンや少人数で行う場合が多いでしょう。

Q2:音楽療法とレクはどこが違うのですか。

レクはその時間を楽しむことが最大の目的になるのではないでしょうか。
また、毎回参加者に対する評価などはしないと思います。

一方音楽療法は、一瞬レクと同じように見えます。
なぜなら、みんで歌う・体を動かす・楽しむことをするからです。

しかし、
音楽療法は楽しいだけではなく、参加者一人ずつに「治療目標」が設定されます。

治療目標とは、今の状態を少しでも良い方向へ変化していくためには何が必要か、
参加者にどのようになって欲しいかというものです。

そして毎回のセッション後に、
今日のセッション中の参加の様子や目標に対してどのくらい達成されていたか
などの振り返りを行い評価を出します。

音楽療法は「何のために行うか」が明確になっているものであり、
現状よりも改善されている状態を目指しての活動ともいえます。

Q3:音楽療法を実践するためにはどのような勉強が必要ですか。

1,音楽療法の基礎的知識が必要です。

例えば、音楽の持つ特性(力)や音楽療法の原理について。
音楽の特徴を知らずして音楽療法をすることはできません。

2,セラピストとしての基礎知識が必要です。

音楽療法はセラピストの音楽的技量(楽器や歌のうまいところ)を
披露するものではありません。

音楽療法は音楽を使って、相手の心を動かしていくものですので
参加者の持っている力を引き出すのが、仕事です。

相手の力を引き出すためには、相手のことを理解する必要があり
その理解とは身体的なこと病気や障害のことだけではなく
その人の内面的なことも含まれます。

相手の内面を理解する際には、自分のフィルターを通さずに
ありのままのを受け入れることが望まれますが
その方法についても知っておくことが必要です。

そして、
相手の力を引き出すために必要なことの中に信頼関係を作ることがあります。
参加者が「この人のことを信用してもいいな」と思ってこそ治療は進みます。
その信頼関係を作るためには、セラピスト自身が自己開示をしていく必要もあるのです。
 
さらに
最も大切なことは、セラピストは自分を良く理解していることです。
他人を支援する前に自分のことをちゃんと面倒みられているかを確認したいところです。

3,楽器の技術の習得

楽器は伴奏するために必要ではあります。
しかし、楽器を演奏しながらみんなに指示を出し、
観察し、一緒に歌うことは非常に大変です。

ですので、無理して一人で実施するよりも
楽器が演奏できる人とコンビを組んで役割を分担して
セッションすることをお勧めします。

 
とはいえ、全くできないよりは何か出来た方がいいのも事実ですので
できる範囲で習得を目指すとよいと思います。

4,病気や体のしくみの知識

高齢者の特徴や発達障がい、脳血管性障がいについての一般的な知識は必要です。

効果を出すためには、正しい理解があってこそ治療目標の設定が可能になるからです。

以上大きく3つのご質問にお答えしてみました。
参考になさってくださいね。

では、今日はこの辺で。

音楽療法セラピスト 堀田圭江子

 

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