堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

「自閉症の方には、パターンをつかんで対応する」というお話しです。

先日、こんなご質問をいただきました。

質問

「堀田先生こんにちは。以前、先生の講座を受講したAです。
ご無沙汰しています。今日はちょっと困ったことがありメールしました。

今、放課後ディサービスで働いているのですが、

発語が全くなく、目を離すと外に飛び出す、スイッチにこだわる、
イヤだと思われる時には自分の頭を壁にガンガン打ちつけたり、
自分の手を噛む小学3年の男子が通所し始めました。
自閉症と知的な遅れがあるそうです。

今のところ、私とは全くコミュニケーションがとれません。
どのように対処したらいいかわからないのです。
何かアドバイスお願いできますか。」

堀田の答え

Aさん、メールありがとうござます。
放課後ディに行ってらっしゃるんですね。
早速ですが、アドバイスしますね。

自閉症の方の行動にも、ちゃんと理由があります。

例えば、外に飛び出すのは外に興味のある物があるのかもしれません。

また、部屋の中に気に入らない物があったり、
刺激が強すぎる物(蛍光灯光や、何かの音、臭い、人の声など)があるため
部屋にいることが耐えられないのかもしれません。

また、学校から帰ったら走るという、
彼だけのルーティンがあるかもしれませんね。

まず、
彼の行動を観察してみましょう。
(もちろん、危険を回避するための対応はしながら)

そして
その行動の傾向やパターンを探してみるのです。

そのためには、
観察したら必ず
「行動」と「その前後に何があった、どんな指示や声かけをしたか」をメモに書いておきます。

そうすることで、
彼を理解でき、対応しやすくなるはずです。

試してみてください。

という、お返事をしました。

実際に音楽療法のセッションでも
クライアントさんを理解するために、私は毎回、観察をしています。

その観察から
「このクライアントさんには、今何が必要か」を導くようにしています。

とはいえ
観察にもちょっとしたコツがあります
特に自閉症の方への観察は
簡単ではないと思います。

その詳しいお話しは
「障害児の音楽療法1・2」でいたします。

では、今日はこの辺で。

音楽療法セラピスト 堀田圭江子