堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

今日は、片マヒや失語症の方への音楽療法はここがポイント!というお話しです。

先日、
こんな相談メールをいただきました。


堀田先生。
いつも楽しいメールをありがとうございます。
私は、老健で介護職員をしております、
Aと申します。

今、音楽レクを担当しているのですが
グループの中に
70歳代男性で脳梗塞の後遺症のため
片マヒで失語症の方がいらっしゃいます。

発語はほとんど無いのですが、
こちらの話は理解できます。

歌は曲によって歌えますし、
楽器も片方の手で叩いたりできる方です。

でも
レクに参加してくれるものの
あまり楽しそうではないように見えるんです。

そのグループは
ほとんど全員が認知症の方です。

なので
歌う曲が童謡や唱歌になってしまいがちなんですが、
それがいけないのかなと思い
歌謡曲もたまに歌ってみても
今ひとつなんです。

それで
私なりにあれこれ考えたんですが
いい方法が見つかりません。

何かアドバイスいただけたらと思いメールしました。

どうぞよろしくお願いします。

Aより


ということなので
次のようにお返事しました。

片マヒや失語症の方への音楽療法のポイント!

Aさん

こんにちは。堀田です。
こちらこそ
いつも音楽療法メールセミナーをご購読ありがとうございます。

早速ですが
アドバイスいたしますね。

1、その男性の利用者さんの好きな歌を調べる

もしもその方が、ゆっくりでも話せるのでしたら
「好きな歌はなんですか?」と質問する。
話せ無いなら、字を書いて答えてもらう。

それもダメなら、「演歌、歌謡曲、ポップス、民謡」などのジャンルを
Aさんが提案して頷いて答えてもらう。

その方法で、
さらに「好きな歌手、好きな歌」を特定していきます。

2、好きな歌や好きな歌手が特定できたら
セッションの中で1曲はその歌をみんなで歌う。

自分の好きな曲を歌うことで参加モチベーションが上がります。

3、楽器の演奏で「その人だけが演奏する箇所(ソロ演奏)を曲の中で作る」

部分的にひとりで楽器を演奏(鳴らす)する箇所があることで
「人から注目されている、自分の出番がある」と感じ、
「がんばろう」と意欲が出て演奏されるかもしれません。

そして
その演奏を賞賛されることで、自信回復につながると思います。

以上です。

試してみてください。

脳卒中の後遺症の方が認知症の方たちと同じグループで活動する場合のポイント

メールのご相談のように
脳卒中の後遺症の方が
認知症の方たちと同じグループで
レクや色々な活動をする場面は多いですよね。

ついつい私も、
全員に同じようなアプローチをしてしまい、
効果が出ないこともあります。

でもそんな時は、
次のことを確認しています。

  • 彼らの歌の趣味(好きな曲や好きな歌手など)を確認して
    その曲を取り入れているか
  • 現在の症状を再確認し、アセスメントし直す
  • 楽器演奏や歌うプログラムは、
    クライアントさんの自信を維持、回復できるものか

これらを確認して
プログラムやアプローチを変えると
クライアントさんは、意欲的に参加してくれるようになってきます。

とはいえ
脳卒中の後遺症の症状も様々ですし
クライアントさんの状態によって
アプローチの方法やタイミングを変える必要があります。

「難しそう、どうしよう」と
思われているかもしれませんね。

でも安心してください。

「脳血管性の音楽療法」の講座があります。

この講座では、、、、

  • 脳卒中の後遺症の方への具体的なアプローチの方法
  • 失語症の方でも楽しく参加できるプログラム
  • 失語症や片マヒになられた方の心理
  • 周囲のサポート方法

について
詳しくお話しします。

ご家族や周囲に
片マヒの方や失語症の方がいらっしゃるという方や
高齢者施設などでお仕事をされている方に
特にオススメします。

音楽療法セラピスト養成講座
「脳血管性の音楽療法」

それではこの辺で。

寒さに負けず元気にいきましょう!

音楽療法セラピスト 堀田圭江子