堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

こんにちは。 堀田です。

さてさて
本日は見えない障害と言われている「高次脳機能障害」についてお話します。

高次脳機能障害とは

生まれながらに脳に障害がある先天性障害の場合と
交通事故や脳こそくや脳出血や高熱の病気などによって
脳の損傷による後遺症などの後天性障害のことです。

■主な症状とは

  1. 記憶障害
    受傷後はもの覚えが悪くなる。
    受傷前のことは覚えている場合とすべて覚えていない場合がある。
  2. 注意障害
    集中力が短い
    注意散漫
    半側空間無視
  3. 遂行障害
    目的に合わせて計画や段取りができない
    また実行できない
  4. 社会的行動障害
    意欲低下
    感情のコントロールの困難
    対人関係の障害
    依存的行動
    固執
  5. 失語症

などなど。

■個人差が激しいのも高次脳機能障害の特徴です。

では、 彼らはなぜ見えない障害と言われるのか?といいますと

特に事故などで障害を受けた場合、
骨折などの外傷は回復して後遺症がない場合
外見は元気になるので、脳に障害があるとは見られないからです。

それだけに
■誤解されてしまう場合もあるようです。

最近では、
料理研究家のケンタロウさんもバイク事故で
この障害になったといわれていますように
バイクや車の運転をされる若年の男性に多いのも特徴です。

また、高次脳機能障害の方は 症状や回復の度合いが様々です。

軽度の方ですと 集中力や記憶力に合わせてお仕事を変えて復帰したり
身の回りのことは自分でできるようになったりします。

しかし
重度になりますと、寝たきりだったり
全介助が必要になる方もいらっしゃいます。

■要するに
脳のどの部分にダメージがあるかで
症状も回復も違いでがでるわけです。

ではこのように 複雑で重複した症状を抱えているクライアントさんと
音楽療法をする場合、必要なことはなんでしょうか?

それは
■「脳の機能」と「高次脳機能障害」について学び

また
■人生の半ばにして、障害を受けてしまった方の心理を理解をすることです。

 

実は
私のクライアントさんにも、
10代でバイク事故を起こしこの障害となった方がいます。(現在は30代)

彼はてんかん発作と短気記憶障害と、失語症、固執、
集中力が短く、感情のコントロールも難しい状態でした。

しかし
現在はてんかん発作の減退と固執が改善され、
また感情のコントロールも可能となり
対人関係も改善されています。

彼とは5年間音楽療法をしています。

このような変化につながったのは、
上記にも話ましたが、

■「脳の機能」と「高次脳機能障害」について学び

また
■人生の半ばにして、障害を受けてしまった方の心理を理解してから
セッションを実施した経緯があったからです。

 

音楽療法に
脳の知識はあまり関連性がないように思われるかもしれませんが
そうではありません。

人間の体のこともしっかり知って、 そのうえで音楽の特性を活用する。

それが効果を出す音楽療法の肝だからです。

 

高次脳機能障害の方への効果的な音楽療法とは?
この続きは講座でお話します。

あなたもぜひいらしてください。

詳細はこちら
>>>「脳血管障害の音楽療法

 

では、今日はこのへんで。

どうぞ風邪などひかれませんように。

音楽療法士  堀田圭江子