堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

こんにちは。
音楽療法士の堀田です。

いよいよゴールデンウィークですね。
あなたはどんな予定ですか?

私はいつもと変わらずに音楽療法したり、
カウンセリングをしていますが、 連休中に私のお誕生日がありますので、
ちょっとだけ楽しいこともしようかと思っています(うふふ)。

 

でも 祝日に老人ホームなどの施設で 音楽療法をするといいこともあります。

それは 「利用者さんのご家族に会える」こと。

なぜ、いいことなのか?といいますと
ご家族から利用者さんのことをたくさん聞けるからです。

たとえば
認知症発症前の性格や、趣味、好きだった曲や思い出など。

ご家族しか知らない情報を入手でき また、
こちらからは、 現在のセッションでの様子をお伝えすることができます。

 

中には、ご家族も一緒にセッションに参加されることもあります。

そんな時、 いつもと違う表情にご家族は驚かれたり、喜ばれたり。

利用者さんは、少し照れながらも嬉しそうにされたり。
こちらまで笑顔になります。

 

今年の連休では、
どんな方々とどんなお話ができるのか今から楽しみです。

さて、 震災からも1ヶ月半以上が経過し少しずつですが、
復興に向けての動きがあちこちで聞かれるようになりました。

そして 震災後からは様々な支援活動が展開されていますね。

 

先日こんな質問メールをいただきました。

「堀田先生こんにちは。
被災された方々の心のケアに音楽が有効と聞きました。
実際にはどんなことをやられていますか?」

というメールでした。

 

とてもよい質問です。

私もちょうどお話しようかと思っていたところでしたので
今日はそのことをお話します。

 

確かに今、被災された方々に心のケアが必要であります。
しかし ケアにするには注意が必要だということを忘れてはいけないと思います。

 

では何に注意したら良いのか?

ここで 兵庫教育大学の富永教授が提唱されています
「災害後の心理援助三原則」をご紹介します。

1、ケアは継続してできる人が行うこと。

継続してケアできない心理援助者(グループ)は、
被災者へ直接接触してはいけません。

接触する時は、現地の援助者と一緒にすること。

 

2、感情表現は害になることも。

恐怖の感情表現を促すことは、
安心感のない空間では、被災者に二次被害を与えます。

 

3、アフターフォローのないアンケートは禁止。

トラウマのアンケートを アンケートのみ実施することは、
被災者に二次被害を与えます。

必ず継続して関与できる人が、
トラウマと喪失の心理教育を同時に実施してください。

ということです。

 

つまりは、

  • 継続してケアできることがとても大切
  • きちんとトラウマの事、喪失の心理を取り扱うことができる人が行うべき

だということです。

 

さらに
音楽療法でケアしようとした場合・・・。

被災者の方々のニーズも状況も様々ですし、
まだ今後の見通しもたっていない状況にある時、
まだまだ音楽を受け入れる余裕がないという方も少なくないと思われます。

そこに 「音楽の力でどうこうできる」と思っての言動は驕りだと思いますし
押しつけの何ものでもありません。

相手のこと(状況も含め)を十分理解しないと、
せっかくの支援も的外れになります。

 

先日、 宮城県のある避難所で
音楽療法士が子供たちにセッションしているという記事を読みました。

子供たちと一緒に歌い、楽器を鳴らしていました。

とても好評と言う事でしたが、
そのセッションをしていらした音楽療法士さんは、地元の方でした。

きっと、子供たちの中には、
その音楽療法士さんを知っている子もいたのではないかなと思います。

そして 安心感の中で、いつもの生活の中に少し楽しさが増えたような
自然な形でのセッションだったと写真から見てとれました。
素晴らしいですね。

 

という事で、
被災地での心のケアに音楽療法も有効ですが

  • 専門知識が必要
  • 継続してケアするのが基本
  • 押し付けないセッション
  • 安心感の中で行う
  • ひとりひとりの状況に合ったものを提供(音楽の趣味は個人差がある)

などを注意しないといけないとお伝えしておきます。

 

あなたの参考になりましたら幸いです。

では、よいGWをお過ごしくださいね。 またメールします。

音楽療法士   堀田圭江子

追伸:

震災後のケアには、長いスパンでの取り組みが必要です。
あなたも何かサポートしたいと思っているなら
今から少しずつでいいので準備をしておきましょう。

もしあなたの好きな音楽で サポートしていきたいと思われるなら
ぜひ「音楽療法セラピスト養成講座」にいらしてくださいね。

詳細はこちらクリック

お待ちしています。